ところで、信用情報機関には、いわゆる「ブラックリスト」なるものは存在するのでしょうか?実のところ、そう言った物はありません。
信用情報機関の会員である企業が、信用情報機関に蓄積されている個人情報をそれぞれの企業の定めている基準に従って信用(註6)を供与すると言う与信契約をするかしないかを決めています。
(註6) 元来の意味での「信用」とは、給付と反対給付の間に時間的なずれのある取引のことを言います。
どうみても返済が将来行き詰るほどの多重債務になったり、返済を怠るなど重大な事故情報があれば、どの会社の基準でもからも与信が受けられなくなり、その様な場合を「ブラックリストに載る」と俗に言っているに過ぎません。
最後に、自己の信用情報を調べる以外の信用情報機関の利用を紹介します。
本人申告制度というのがあって、信用情報機関に情報登録者が直接申告することによって、他人が本人になりすますなどの不正を防止することや、過剰な借り癖や浪費癖を防止することが出来ます。
前者は、例えば運転免許証などの本人確認書類を紛失や盗難があった際に申告しておけば、情報が登録されて、会員企業は本人確認書類の不正使用をより注意する様になります。
後者は、借り癖や浪費癖があると自覚している人(註7)が申告することによって、情報が登録されて、会員企業が与信する金額の上限を引き下げるなどして、借りすぎを防止することが出来ます。なお本人申告の場合も手数料がかかります(註8)。
(註7) 自覚していない人は絶対に本人申告をしないわけですが。
(註8) CICの場合は、直接来社で500円、郵送の場合900円 1,000円。(平成19年11月27日加筆)
(おわり)
近藤巧器行政書士事務所 埼玉県朝霞市
平成19年4月13日公開
注意 この文章には私的見解を含み、行政機関・民間企業のそれとは異なる場合があります。また個別のケースによって事情が異なります。この文章を参考にした行動の結果は保証出来ませんので、自己責任でお願いいたします。
自分の信用情報を調べる その1
自分の信用情報を調べる その2
自分の信用情報を調べる その3
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