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メイド喫茶に行ってみました その1

 以前から「メイド喫茶」に興味があって、秋葉原の近くに行く用事があったら一度よってみようと思っていました。メイド喫茶に興味があると書くと、オタク文化的な観点からの興味だと思われてしまいそうですが、あくまで許認可制度と事業経営的な観点からの興味です。

 いったいメイド喫茶(メイドカフェとも言う)は何か?

「 メイド喫茶とは、フランス貴族の女中(お手伝いさん)の衣装に身を包んだ若い女性従業員が接客する喫茶店のことである。 (中略) メイド喫茶では、客の入店時に『お帰りなさいませ、ご主人様(または、お嬢様)』と言い、退店時には『行ってらっしゃいませ』と言う。店内はメイドと楽しむ時間である。
 平成10年以降、秋葉原を中心に続々と開店し、大阪日本橋や名古屋などへも広がった。 
(後略) 」(註1)

(註1) 引用 長谷恭就「ニュービジネス最前線25 メイド喫茶」『銀行実務』2005.10

 行政書士として関心があることは、メイド喫茶の営業内容が、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風適法)の規制に該当するものではないかと一部で言われていることの適否です。営業内容が風適法で定める風俗営業(註2)該当するならば、許可を受けなければ営業が出来ないことになります。

(註2) 風俗営業 主にキャバレー、ナイトクラブなど客を歓待する飲食店や、ぱちんこ店など射幸心をあおる恐れのある遊戯店など、1号〜8号まで分類されている営業のことで、公安委員会の許可が必要。

 では、メイド喫茶の営業に関して、風適法のどの規定に該当する疑義があるかというと、風適法第2条2号の
「待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業」
の部分です。

 ウェイトレス等の店員が飲食物を給仕するだけでなく、客の「接待」をしていれば、単なる飲食店ではなく、風適法第2条2号に該当するのではないかと言うことです。風適法で言うところの「接待」とは、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」(同法第2条3項)です。 具体的にはクラブやスナックと言った店舗でやっている様な、談笑したり、そばで座って酒のお酌をしたり、一緒にカラオケを歌ったりすることなどが想定されています。

 報道によれば、福岡県(註3)、愛媛県(註4)においてメイド喫茶に対してそれぞれの県警察は風俗営業の許可を取るように指導されています。その一方で、メイド喫茶の本場である秋葉原のある東京都(警視庁)では、現在のところメイド喫茶にたいして許可が必要との見解は取っていない様です。

(註3) スポニチ Sponichi Annex ニュース HP 2005年10月16日
(註4) 朝日新聞HP 2005年10月25日


 どうして都道府県によって対応が分かれるかと言えば、当方の私見ですが、風適法の規制の細目や運用がそれぞれの地方ごとの実情にあわせて定められるようにしているため運用の基準が地方ごとに若干異なるからだと考えています。ですから、メイド喫茶の様な新しいビジネスが、ある県で許可の申請が必要だと指導される場合でも、他の県では必要ない場合も生じてくるのです。

 ただ注意しなければならないのは、同じ「メイド喫茶」、「メイドカフェ」の類であっても、あくまでも個別の店ごとの接客内容にに注目して判断する必要があり、同じ地域で営業しているからと言って同じ判断がなされるとは限りません。迷ったら、許可権者の公安委員会(警察)に照会してご教示を頂いたほうが良いでしょうと答えておきます。

(つづく)
近藤巧器行政書士事務所 埼玉県朝霞市
平成18430日公開

注意 この文章には私的見解を含み、行政機関のそれとは異なる場合があります。また個別のケースによって事情が異なります。この文章を参考にした行動の結果は保証出来ませんので、自己責任でお願いいたします

メイド喫茶に行ってみました その2

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